チルト角度
チルト角度とは、モーターをボートの船尾に取り付ける際の角度のことで、選手が自分のレーススタイルや水面状況に合わせて調整できる数少ないセッティング項目の一つである。調整幅は-0.5度から+3.0度まで0.5度刻みで、水面の特性上、上限が低く設定されている場もある。角度は直前情報として公開され、艇ナビのレース詳細・直前情報タブに各艇のチルトを表示している。
チルトを下げる(-0.5度や0度)と、ボートの船首が水面に近づいて艇が水面に押さえつけられる姿勢になり、スタート直後の出足やターン後の加速(回り足)が良くなる反面、最高速(伸び足)は伸びにくい。チルトを上げる(プラス方向)と船首が浮いて水の抵抗が減り、直線での伸びが良くなるが、艇が跳ねやすくなりターンの安定性は落ちる。多くの選手は-0.5度〜+0.5度の範囲で調整しており、+3.0度のような極端な設定は、スタートで先手を取り直線の伸びで押し切るスタイルを徹底する一部の選手が使う。
予想への活かし方
チルト角度は「その選手がどんなレースをしようとしているか」の宣言と読める。1コースの選手がチルトを下げていれば、スタート後の出足と1マークの回り足を重視した逃げ狙いであり、外の選手がチルトを上げていれば伸びを活かしたまくり狙いである可能性が高い。展示タイムと組み合わせると評価がしやすい。チルトを上げているのに展示タイムが伸びていなければ機力に疑問が残り、チルトを下げているのに展示タイム上位なら地力のあるモーターと判断できる。前走からチルトを変えてきた選手は、前走の結果に不満があってセッティングを変えた可能性があるため、今節タブで前走の着順・STと合わせて確認したい。
注意点・よくある誤解
チルトは単独で速さを決める要素ではなく、プロペラの調整や部品交換、選手の体重とセットで効果が決まる。「チルトを上げれば速くなる」わけではなく、伸びと引き換えに出足を失うトレードオフであるため、1マークまでの距離が長い外のコースで効果を発揮しやすい一方、内のコースでは出遅れの原因にもなる。また、風が強い日や水面が荒れている日は、跳ねやすいプラスのチルトは不利になりやすいとされる。直前情報でチルト・展示タイム・風・体重を一括で確認し、セッティングと結果のつながりを見ていくと、選手ごとの傾向も分かるようになる。