差し
差しとは、1マークで自分より内側の艇のターンが外に膨らんだ隙に、その内側(ターンマーク側)を鋭く回って前に出る決まり手である。主に2コースの艇が1コースの艇に対して仕掛けるが、3・4コースの艇が内側の複数艇をまとめて差すこともある。スピードで外から押し切る「まくり」とは対照的に、差しは内側の艇の動きを見てから仕掛ける「後手」の技であり、ターンの精度と、ターン直後に加速する出足の良さが問われる。
差しが決まりやすいかどうかは、1コースの艇が1マークで膨らむかどうかに大きく依存する。1コースの艇のSTが遅れて全速で回れなかったとき、水面のうねりでターンが流れたとき、あるいは外からまくりに来た艇を意識して深く回ったときに差しのチャンスが生まれる。2コース1着率は艇ナビ集計(直近12か月)で戸田17.6%・江戸川17.6%・平和島16.2%が高く、芦屋9.6%・下関10.6%が低い。水面幅が狭い戸田や潮・流れの影響を受ける江戸川では、1コースがターンで膨らみやすく差しが効きやすいことが数字に表れている。
予想への活かし方
差しが決まりそうなレースを見つけるには、場の2コース1着率と、2号艇の選手の差しの実績を組み合わせる。艇ナビの場別統計ランキングには2コース1着率の項目があり、場詳細ページの決まり手マトリクスでは、どのコースの艇がどの決まり手で1着になったかを確認できる。選手側は選手詳細のコース別成績で2コースからの1着率と、レース詳細の出走表タブに表示される逃がし率(2号艇の欄の「逃XX%」)を見る。逃がし率が低い選手ほど1コースを差している割合が高い。直前情報では1号艇の展示タイムやスタート展示のSTが下位で、2号艇の展示・出足に問題がなければ「2-1」の差し決着を候補に入れられる。
注意点・よくある誤解
差しは「1コースが失敗したときの決まり手」という面があるため、1コースの艇が強ければ差しの機会そのものが減る。2コースの選手がいくら差しを得意にしていても、1号艇がA1級で機力上位なら差し決着の確率は下がる。また差しが決まった場合、1コースの艇は膨らんだ分だけ位置を落とすが、それでも2着に残ることが多く、「2-1」「2-1-3」といった組み合わせは人気になりやすい。差しは内側を突く分、内の艇や引き波との接触リスクもあり、失敗すると大きく順位を落とす。差し決着を想定する場合は3着候補を広めに考えるなど、買い目の組み立てで対応したい。